「生まれた!!」
 ヒカリの大きな歓声と共に、わっと拍手が湧いた。
「おめでとう!!」
 デジタマを囲んでいた面々が笑顔で祝福の言葉を口にする。
「よかったね、ヒカリちゃん!」
「うん!」
 タケルとヒカリはにっこりと笑いあった。
「そうだ、お祝い会しなくっちゃ!」
「それいい!」
 楽しそうに言うふたりに、パタモンとテイルモンも頷いた。
「お祝いするなら、みーんな、呼んでくるね!」
「私も。木の実とかもいっぱい採ってこよう」
 飾り付けも用意しなくっちゃと張り切って飛んでいくパタモンを追いかけようとして、タケルは足を止めた。
「ヒカリちゃんは、どうする?」
 そう訊いたものの、ヒカリの視線は生まれたばかりのポヨモンに向けられていて。
「ここに居たいんだね」
 タケルもまた、ヒカリの隣へと腰を下ろした。
「タケルくんも、準備しに行ってていいよ?」
「ううん。ぼくもここに居る。ポヨモンかわいい」
 指でつんっと、触って。ポヨモンも嬉しそうに笑った。
「この子、タケルくんのこと好きそう」
「ヒカリちゃんにもすっごく懐いてるよね」
 ポヨモンはヒカリの手の上で跳ねている。他のところに行く気はないらしい。
「……生まれてきてくれて、ありがとう」
 ぽつりと、しっとりと言うヒカリ。
 まるで、女神様のような。聖母のような瞳で。
「この子もきっと、ヒカリちゃんに会えて嬉しいって、思ってるんじゃないかな」
 タケルもまた、目を細めて、あたたかく言った。
 その言葉に呼応するように、ポヨモンが、笑った。
「ほら、ありがとうって、言ってるよ」
「……うん」
 慈しむように、ヒカリは、ポヨモンを撫でた。
 そして、ふいに視線をタケルに移した。
「タケルくんも、生まれてきてくれて、ありがとう」
「え?」
 きょとんとするタケルに、ほほえみ返すヒカリ。
 不思議な空気が流れる中、タケルは少し照れくさそうに頬をかいた。
「ありがとう。ぼくいま生まれたわけじゃないけど…」
「でも、ここに居てくれる。だから、ありがとう」
 生まれたから、出会えた。
 だから、感謝を伝えたくて。
 そう言うように、ヒカリは、あたたかな目で、タケルを見た。
「……そうだね。じゃあ、ぼくからも」
 タケルも、真っ直ぐに力強く、ヒカリを見て、言った。
「出会ってくれて、ありがとう」





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祝・タケヒカ出会った記念日&タケル誕生日!!
といっても今年は違う世界線のタケヒカなので全然記念日関係はないんですよね本当は…。
でも、放送中に、それもあれだけタケヒカな:のタケヒカを書いておきたくて!!
大いなる意志によってここまでセット扱いしてくれるとは思いもしませんでした。神に感謝。
まさか一緒に入浴するのを目撃する日が来るたあ思いませんでしたよええマジびびりました。
そして現在ちょうどデジタマ関連のところにいたので、こんな形になりました。色々変化球しかも投げっぱなしですが。
いや〜、:タケヒカのポテンシャルすごいですね!!?まさかこんなにも、夫婦というか家族な空気になるとは思いもしませんでした。
書いてみて改めて思ったのが、:と無印だと同じ小2タケヒカでも違いあるな〜と。
無印が無邪気さと純粋さなら、:は強さと信念が似合う感じ。
不思議ちゃんなのは無印のが似合うけど、:はもはや女神レベルに突き抜ける。みたいな。すごいざっくりふんわりとしたイメージですが。
なんか、無印と:のタケヒカで対談させたいですね。いっそ02とtri.とラスエボも入れたい。
それぞれで同じテーマの話書いて違い浮き彫りにするやつ書きたいってずっと言ってますね。やりたいな。
そういえば:もあと2ヶ月無いことがわかりましたね。。さみしい。
けど!!新作!!TVアニメ!!めっっっちゃめちゃワクワクしてます。こんなにワクワクしたの何年ぶりだってくらい。
これからもずーっと、デジモンとともに歩んでいきたいですね。まだーまだー続くーよー…。
それでは、なんか思い返せば毎年全然メモリアル文でもタケヒカ記念日文でもないですが、
とにかく一緒に歩んで生きてるよ!!っていう私の日記みたいなものなので(?)
また1年、新たに刻めてよかったです!
それでは、これからもタケヒカに祝福あれ〜〜!!02映画新作も楽しみだー!!
ていうかキャラソンCDまだ聴いてないー!2021年なのに盛りだくさんだー!!

作成・掲載日:2021/8/3