「今日で20年かー」
 ヒカリが、カレンダーを見て呟いた。
「20年…そうだね。早いなあ」
 僕もそう返しながら、ヒカリ越しにカレンダーを見た。
「あのときは『8人目の仲間』で『太一さんの妹』っていう認識だったから、まさかこんなふうになるなんて思わなかったなあ」
 そっとヒカリに近づいて、後ろからぎゅっと抱きしめた。
「でも、守りたいって、思ってた。先輩として、男として」
 ヒカリはほほえみながら、手を僕の手に重ねた。
「私は、『特別なあたたかさ』、感じてたよ」
 昔を懐かしむように、ヒカリの声もあたたかい。
「『仲間』だから、『希望』だからかなって思ってたけど、そうじゃなかったのよね」
 僕の肩にもたれかかるようにしてヒカリは笑った。
「ありがとう。タケルくん」
「こちらこそ、ありがとう。ヒカリちゃん」
 久しぶりに、あの頃の呼び方をして。
 僕らは、感謝した。
 20年の月日に。
 出会えたことに。
 今、一緒にいることに。
 そして。
「タケリュ〜」
 リビングのドアが開き、バタバタと音がした。
「ヒカリ、ケーキ受け取ってきたわよ」
 パタモンとテイルモンが嬉しそうにやってきた。
 僕らのふたりの天使を連れて。
「パパ!」
「お誕生日、おめでとう!」
 ふたりの子どもの満面の笑みを見て、幸せが、溢れ出してきた。
「ありがとう」
 生まれてきたことに、感謝を込めて。

 今日も、希望の光は輝いている。





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タケヒカ記念日も20周年ですね!
短いですが勢いで書けてよかったです。タケヒカ結婚してたらあの子達ももう生まれてるんだろうな〜と。。
次世代組、大体もう生まれてますよね、きっと。時の流れ〜〜。
タケヒカ同世代な自分としてはなんだか不思議な気分です。私も流れに乗りたかった(?)
あ、子どもたちのパートナー書きそこねましたが、たぶん一緒におります。
年々デジモンが増え、ひとりにつき必ずパートナーがいるという時代になっていくわけで、
保障とか制度色々大変だったろうなあと思いを馳せてしまいます。大人になったなあ…。
ところで私のパートナーはまだでしょうか。クラウドファンディングで来てくれるでしょうか。
あの世界で最後にパートナーを得た人の話、見てみたいなあ。。
と話がそれましたのでこれにて。
タケヒカ出会って20周年記念日、おめでとう!!!!

作成・掲載日:2019/08/03