今日この日が来ると、いつも思い出すことがある──。



『“プレゼント”』



初めて会ったときから、変わらない気持ち。
それと、変わっていった気持ち。

今日君の顔を見たときは、一体どんな気持ちでいるんだろう。


「おはよう、タケル」
待ち合わせ場所に立っていた君を見て、まず第1に顔が綻ぶ。

「おはよう」
第2には手を繋いで、第3には歩き出す。

街を歩き、数々の記憶が巡っていき、ふと思う。

「…ヒカリ、変わったよね」
まだこの街に住むことも知らなかったあの頃。

「タケルがそれを言う?」
むっとした顔で言う彼女は、昔と変わらぬ可愛い顔で。

「僕たち、大きくなったよね」
見た目も中身も、僕らはどんどん進化している。

「そうね。初めて会ったときのタケルなんて、私より小さくて可愛い声だったのに」
「それは言わない約束」

恥ずかしいことも多い過去と、未知なる事ばかりの未来。
ヒカリはあの頃より、いたずら笑顔が似合うようになった。

「あら、私はあの頃のタケルも大好きよ」
思い出の中でしか出会えなくても、思い出の中で出会える大切なもの。

ヒカリの瞳が、タケルを捉えた。

視て思い出せて、

「タケル」

聴いて思い出せて、

たまらなく懐かしく、泣けてくる。
出会ってからの時間がものを言う、様々なる共に過ごした気持ちたち。

「ヒカリ」

過去の愛は、時が経つに連れ、未来の愛を膨らましていく。

繋いだ片手と、抱いた片手と、触れた唇と。

こんなに誇れる未来が来るなんて、知らなかった過去。
どんなに恐れる未来があるなんて、知らなかった過去。

「タケル、誕生日おめでとう」

来年の今日も、君とすごせますように──。





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今年も短くなってしまいましたが、08年の8/3記念作です。
タケヒカ記念日なのに、なんだか私の中の「デジへの思い」を思いながら書いてました。
その所為なの何なのか、珍しくヒカリちゃん優勢(笑)
毎年この日だけはヒカタケになるのも良いかも知れない(何)
でも最終的にはタケヒカになるのだろうと妄想(更に何)
というわけで、お読み下さりありがとうございました!

作成日:2008/08/02
掲載日:2008/08/03