「あうう・・・・」
私、八神ヒカリ。人生最大の決断・・・・・・。
「ふふふ・・・・。迷ってないで、食べちゃえばいいじゃん・・・」
そんなこと言ったってえ〜・・・。ていうか、その笑顔で笑いかけないで〜・・・。


小麦の誘惑


「いいじゃん、ヒカリ。早くしないとデート（ちなみに恋人同士）できなくなっちゃうよ？」
「う・・・・・。でも、食べちゃったら、太るし・・・・・」

私たちは巷で最も人気があるケーキ屋さんに来ている。（タケルは甘いものが大好き）
でも・・・・、ケースに並んでいるのはショートケーキとか、シフォンケーキとかばっかりで、食べたら絶対に太るような代物ばかり・・・・。

「じゃあ、僕だけ先に頼むね？えっと、苺のショートと、チーズケーキと、シフォンケーキと、あっそれとモンブランも下さい！」
えええええええ！？タケル、そんなに食べるの！？いくら甘党だからって、それはさすがに食べすぎでは・・・・。

「タケル・・・、そんなに食べるの・・・・？」
「甘いものは別腹ってね♪あっ、いくらですか？」
それは普通女の子が言う台詞じゃ・・・・。タケルは時々、ほんとに男の子なの？という台詞を吐く。しかも、それに違和感がないから複雑・・・・。

「ヒカリ、食べないなら、僕だけ食べるよ？」
「あっ・・・、うん・・・」
ああ・・・、結局食べられないのか・・・・・。席を取るために、レジから離れる・・・・。（←名残惜しそう）

「じゃあ・・・・、ショートから食べるとしますか！」
この時だけは、無邪気な顔するんだから・・・。幸せそうに、ケーキを口に運ぶ。

「美味しい〜！ヒカリ、食べないなんてもったいないな〜？」
こいつ・・・・・。無性に腹が立つ〜。でも、タケルの幸せそうな顔に、そして甘い小麦の誘惑に・・・・・。
そんなときに、隣の席の人が・・・・。

「こんなに美味しいもの食べないなんて、バチが当たるよ？」
「うっ・・・・」
向こうの席にも私みたいな人がいるんだな〜・・・・。

「ほんまに美味しいな〜」
あっ、大阪人だ。
「・・・・・・シュークリーム分が不足してきた・・・・・・」
シュークリーム分って・・・・、何・・・・？
「シュークリーム下さい・・・・・」
「「弱っ！」」
あっ、負けた・・・・。彼女は誘惑に負けてしまった。私も二の舞にならないために・・・・。

「ヒカリ？」
あっ、タケルのこと忘れてた・・・・。

「なあに、タケ・・・・・」
タケル・・・・・。見せびらかすのね・・・・・・。
わざと私に見えるように、シフォンケーキを口に運ぶ。その動作が憎たらしい・・・・。

「う〜ん、やっぱりシフォンも美味しいな〜。ヒカリちゃんは食べないのかな〜？」
わざと『ちゃん』を強調して、私に食べさせようとしている。
いつか・・・・、いつか絶対に仕返ししてやる・・・・・。私はそう胸に誓いながら、ケーキを買いに行こうとした。

「あれ？ヒカリ、食べない、って言ったよね？」
ほう・・・・・、二言（にごん）は許さないと・・・・・。

「二言はないはずだよ♪」
勝ち誇った笑みを浮かべて、こちらを見つめてくる。
その目は、対応しだいではいいよ、って言っている。
普段なら、おねだりするところ。でも、今日だけは負けたくはなかった。

「ええ、トイレに行くだけですよーだ！」
思いっきり拗ねた声で、そう言い返す。
すると、一瞬豆鉄砲を喰らったような顔をしたけれど、すぐにもとの顔に戻り。
「そう。じゃあ、僕も食べ終わるから、ヒカリが終わったら帰ろうか？」
「えっ！？」
しまった！乗せられた・・・・。
いつからこんな嫌な性格になっちゃったのかな・・・・。
あの頃はあんなに可愛かったのに、いつから人の不幸を楽しむ性格になったのかな・・・？
１度別れてみようか・・・・。（←そんなことをすれば、身が持たないのはヒカリ自身である）

「ふふふ・・・。ごめんごめん。奢ってあげるよ、それに」
そういうと、タケルはそっと耳打ちをしてきた。
「ヒカリはこれ以上痩せちゃったらダメだよ。僕はどんな君でも大好きだから、大丈夫だよ」
「////ありがと・・・・」
どうして、こんな台詞がサラッと言えるのかしら・・・。
私はタケルのこんな所に惹かれたのかな？
やっぱり、タケルのこと、大好き！

「タケル？」
「なあに？ヒカリ」
「大好き！」

それは、甘い小麦の誘惑・・・・・。

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海老の尻尾様より、キリリクのお礼にいただいちゃいました！！！
「あずまんが大王」が一部入ってるそうですが、すみません私知らなくて…；；
見てみたいと思っている作品の１つではありますけどね。(^^)
しかし、タケヒカらしさ満載！！タケル可愛いよ絶対甘党だよ！！ヒカリ可愛いよ意地っ張りなのに素直だよ！！
もう私のツボに入りまくりですよ！！もう最っ高です！！
こんなにも素晴らしい小説、頂いちゃってよろしかったのでしょうか！？
海老の尻尾様、本当にありがとうございました！！
これからもよろしくお願い致します！！

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