『あんなに小さく見えるけど』



公園を駆け回る子供。

お花を踏みそうになって、慌てて止まって転んでしまった。

痛くて目に溜まる涙が、昔の自分を想い出させて。


海の砂浜。はしゃぐ子供。

波に呑まれて、それでも笑って楽しんで。

みているこっちも、嬉しくて。


帰ってすぐに、ほころぶ笑顔。

「あげるね」と渡されたのは、大きなどんぐり。

1年経っても、まだ、捨てられない。


雪は降らずと寒き夜。

それでもあたたかなベッドの中、寝たがらぬ聖夜。

目が覚めたときの笑顔こそ、なにより僕へのプレゼント。



「パパーおやすみ〜。…あ、なにみてるのぉ?」

部屋に入りし娘と息子。

「アルバム。ほら」

楽しき想いを蘇らせ、興奮した笑顔で、のぞき込む子供達。

「なにしてるの?」

小さな子達を早く寝かせるために、様子を見に来た最愛の妻。

一緒になってアルバムをのぞき込む姿は、子供の頃と、変わらない。

今見ている光景は、夢ではない。

でも、夢のように幸せで、輝いていて、光に溢れている。

「さ〜て、早く寝ましょうね〜」

文句を言う子供達の背中を押し、ドアへ向かう妻。

「じゃあね、パパおやすみ〜」

渋々アルバムから目線を離しつつ、挨拶をする娘。

「明日、また見せてね〜」

眠い目をこすりながら、以前アルバムに視線を送る息子。

「おやすみ〜」

2人に挨拶を返しながら、ふと思う。

まだ妻の膝にも届かぬ身長で、僕を、いや、僕たちを、幸せにしてくれる。

力を…希望をくれる。

大きな、でも、なによりも小さいもの。

潰れないように守っていきたい、大切なもの。

その、 ─ もの ─ を、いつまでもいつまでも。

漠然と、でも確かに、

そこにいてほしい。





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遅れまして申し訳ありませんです…。「タケルとヒカリがつくるほのぼのとした家庭」です。
リクして下さったハーシェル様、ありがとうございました!!
今回結構悩みましたね…。そのわりにはこの短文ですが…。(+駄文…すみません;)
ぼんやりとはあったんですが、結果的に別の方向へ。
タイトルは、「おジャ魔女どれみドッカーン」のED、「わたしのつばさ」の歌詞より抜粋しました。
これを書くときに、どれみの感想を読みまくってた所為ですが。(苦笑)
しかし、「ほのぼの」でしょうかどうでしょう…?(それよりもヒカリの出番の方が…;)
では、「8/1〜計画」第2号のハーシェル様に、これを捧げます。
リクエスト、ありがとうございました!!!

作成日:2006/11/07
掲載日:2006/11/08